今回は、岡山大学の村田彩耶子さんが総合建設業のお仕事に迫るべく、株式会社まつもとコーポレーション(以下、まつもと)のみなさんにお話を伺いました!
特許技術や時代にあった新事業を生み出す会社
https://www.matsu-co.com/
★古谷さん
管理部所属。お客様や、材料の発注や工事の依頼をしている協力会社からの問い合わせの窓口を担うと同時に、DX推進担当。
★岡野さん
土木部所属。岡山市内の下水設備の整備を担当。まだ下水設備が整っていない場所の下水化の計画や設計〜施工・原価・工程管理や現地調査も行う。
★神田さん
建築部所属。工事全体の品質や工程、安全、原価などの管理を行う。現在は町営住宅の改修を担当していて、外壁塗装や窓などの取り替えも行っている。
Index
特許技術や時代にあった新事業を生み出す会社
柱を無くして大きな建物を造る特許技術とは?
- 御社では主にどのような事業に取り組んでいますか?
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古谷
当社は、「総合建設業」という事業をしています。
具体的には、学校の校舎や体育館、老人ホームなどの公共・福祉施設の建設、神社の修理工事、ダムや公園などの土木工事や道路の舗装工事などなど、建設に関する幅広い分野で施工をおこなっています。
また、建設に至るまでの営業や設計、施工後のアフターメンテナンスなどもおこないます。
岡山県民に身近な県立博物館も、まつもとコーポレーションの施工物件
- 御社ならではの強みは何ですか?
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古谷
いくつかありますが、新事業に関する強みとして2つご紹介しますね。
1つめは、無柱建築工法を用いた「Macシリーズ」です。在来工法だと建物が広くなるほど柱の数が増えるか、鉄骨サイズが大きくなります。しかし、「Macシリーズ」は柱の感覚が大きくなっても鉄骨サイズを抑えることができ、国内最大級である最大120mまで可能になります。そのため、柱が無い、または少ない広々とした空間の建物を建てることができます。シリーズのうち「Mac-Z」は2021年9月に特許を取得しました。
非常に柱が少ない構造のMacシリーズ
- すごい技術ですね!柱が少ないことにはどんなメリットがあるのでしょうか?
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古谷
柱がないためお客様が自由にレイアウトでき、好きなように空間を利用できることがメリットになります。そのため、大きな機械を設置する工場や、たくさんのものを保管する倉庫、大型店舗などの用途に向いています。
エネルギー収支0の建物を目指す
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古谷
省エネ&創エネの工夫でZEB化改築された井原営業所
2つめは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)(以下、ZEB)の設計や建築を行うことができる点です。ZEBプランナーとZEBリーディング・オーナーに認定されています。
ZEBとは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
- 創るエネルギーと消費するエネルギーがプラスマイナスゼロの建物を建てられるということですか?
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古谷
そうです。消費エネルギーはゼロになりませんが、断熱材や高効率設備による「省エネ」により消費エネルギーを抑え、太陽光発電パネルによる「創エネ」により補うことで、収支エネルギー消費がゼロになります。
『ZEB』である弊社の井原営業所には、多くの省エネ技術を採用しています。例えば、「採光ブラインド アカリナ」は眩しい光はカットしながら、柔らかい光を部屋に取り込み、昼間の照明の消費を低減できます。
- ZEBプランナーとして認定されている企業は少ないのでしょうか。
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古谷
岡山県内では20社程度であり、ゼネコンではまだ少ないですし、ZEBの認知度もまだ低いです。これからもお客様の使いやすさや社会貢献、環境問題を考慮して、MacシリーズやZEBを含めまつもとコーポレーションの強みを生かした提案をしていこうと考えています。
総合建設のDX化で岡山の地域を変える
- 今後会社としてどんなことに挑戦していこうとしていますか?
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古谷
現場ではスマートグラスを活用して業務を進めることも
岡山県の建設業界で最もDX化が進んだ企業として頭一つ出た存在になることを目標としています。そのDX化を通じて地域に貢献したいですね。
- DXって、具体的には何を指すのでしょうか?
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古谷
簡単にいうとデジタル化です。書類を紙から電子書類に変えるような小さなことから始めて、設計や施工自体もデジタル化を目指しています。
- 設計や施工のデジタル化…?
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古谷
書類のデジタル化が進むと情報共有のスピードが上がりますよね。さらに、お客様への提案データが集約されることで、提案できるパターンも増えます。
これにより、これまでは建物の設計の話だけしかご提案できなかったところに、さらに踏み込んだ提案ができるようになるんです。たとえば、店舗様からの依頼であれば、売上を向上させるため「人の流れを測定するAIカメラの設置」を提案することもできます。さらに、それによって配置人員の増減まで相談に乗ることができるわけです。
- DX化によって新しい提案に繋がるんですね!
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古谷
そうなんです。DX化が進むことで、私たち建設業者は建物を建てたり工事をしたりするだけではなくて、お客様の課題への解決策も提案ができるようになる。企業として売るものが変わるんです。
建設業・まつもとで働く魅力
夢が導いた"働きやすいまつもと"
- ここからは実際に現場でお仕事をされている神田さんと岡野さんにお話を伺っていきたいです。初めに、入社のきっかけや理由を教えていただけますか?
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神田
僕は新卒入社2年目です。建築に携わりたいとずっと思っていて、高校も建築学科を選び、専門学校でも建築を学び続けました。
まつもとを選んだのは、選考前の会社説明会後の面談にも関わらず、社長や役員の方が熱意を持って話してくれたことで「入社したい」と思ったからです。
- 熱意に惹かれたんですね。岡野さんはいかがですか?
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岡野
転職のきっかけ
僕は中途入社、入社して約1年になります。前職でも土木工事を担当していましたが、出向など県外を飛び回ることが多く、家庭のことを考えて「岡山に戻りたい」という思いを抱えていました。
不思議な話ですけど、そんなときある夢を見たことがまつもとに転職するきっかけになったんです(笑)。
- 夢がきっかけ?どういうことですか?
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岡野
ある夜以前お世話になった上司と仕事をしている夢を見たんです。
それで翌日なんとなく連絡してみたら、その方はまつもとで働いていることがわかり「一度、うちの会社を見に来ないか?」と声をかけてもらえました。見学に行ったら、なんと社長と本部長にも同席してもらえて「いつからまつもとに来れる?」と、トントン拍子に転職することが決まりました。
- そんなことってあるんですね!きっと岡野さんの腕前が認められていたからそんなにスムーズに話が進んだんでしょうね。
建築業の働きやすさを支える"管理部門"
- 仕事やまつもとで働く魅力を教えていただきたいです。
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神田・岡野
現場の姿はやっぱりカッコイイ
神田さん:建築の仕事で魅力に感じることは、仕事の成果が形として目に見えることです。「これ、自分が関わった建物だよ」と友達に言えるのは嬉しいですね。
岡野さん:まつもとの魅力は働きやすさにもあると思いますね。
一般的に、総合建設業には時期によって仕事量の差が大きいという特徴があります。また、公共工事は工期に余裕がないケースも多いのです。そのため東京で公共工事を担当した時は、仕事が多い時期は夜遅くまで残らざるをえないこともありました。
でも、まつもとは民間工事が多いのに加え、管理部の方が工期の管理や調整をしっかりしてくれているので余裕があります。一人ひとりの有給休暇の取得状況や残業時間をきちんと見てサポートもしてくれるので、本当に働きやすくなりました。
- 古谷さんはその管理部でしたよね。
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古谷
労働基準法を守ることは大切ですからね。各プロジェクトを確認して、懸念がある場合は「そのプロジェクト、そろそろ危ないよ」と各部署にアナウンスできるようにいつも意識しています。
- そういうサポートがあるとみなさん安心して働けそうですね。社員を大切にされているんだなと感じます。
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働きやすさは、裏で支える管理部門があるから
"工期通り"を実現する建築部の達成感
- 建築部の神田さんに伺いたいのですが、これまで一番印象に残っているお仕事は何ですか?
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神田
まつもとコーポレーションの工事風景
初めて工程管理を担当した中学校の改修工事ですね。学校なので、生徒がいない期間中に工事を終わらせたい。だから中学校の夏休みの期間の1ケ月ほどで、全部の工事を終わらせられるような工程を組む必要がありました。
- 通常はどれぐらいの工期なのですか?
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神田
僕が担当した店舗改修の場合は半年くらいの工期でした。店舗の場合は長期休業ができないので、その日の営業が終わったあと作業します。だから工期は長めなんです。
- そう聞くと、1ヶ月ってとても短く感じますね!
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神田
そうなんです。「コンクリートなら1日に〇㎡打設できる」など細かく計算して工期を組みます。この想定通りに進むよう協力会社を選び、期間中はたくさん打ち合わせもしました。無事に期間内で終えられたときには大きな達成感がありましたね。このときばかりは休みは全然なかったんですけど(笑)。
- 大変だったからこそ、達成感をより強く感じられたんですね。
まつもとのみなさんからのメッセージ
新入社員として意識すべき3つのこと
- 多くの人と協力してお仕事されている皆さんは、新入社員にはどんなことが大切だと思いますか?
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古谷、岡野、神田
古谷さん:明るいことですね。あとの仕事や技術は後からいくらでも教えてあげられます。
岡野さん:そうですよね。あとは素直なことかな。社会人になりたてのころは、初めてで知らないことばかりだから、怒られて、教えられてなんぼ。素直にわからないことはわからないと伝えて、教えてもらって吸収しようという姿勢が見える人はすごく魅力的だと思います。
神田さん:確かに。そういう意味では、相談する時に相手が答えやすい聞き方ができるとすごくいいですよね。僕は新卒2年目ですが、僕自身が何を聞きたいのかわかっていないまま相談して上司を困らせることがまだあります。
「僕もまだまだ練習中です。」とはにかむ神田さん
「これをやりたい」に真っ直ぐチャレンジ!
- 最後にこの記事を読む高校生や大学生にメッセージがあればお願いします。
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岡野、神田、古谷
岡野さん:「自分には学力がないから」と諦めずに、いろんなことにチャレンジしてほしいです。
学力の高い大学を卒業した人でも、高卒や中卒の人でも、社会人1年目として横一線のスタートです。大企業に入社したいとなれば学力は大事ですが、そうでなければ基本的に最低限の学力があればいい。だから、自分を卑下することなく、いろんなことにチャレンジして進んでいってほしいなと思います。
神田さん:そうですね。入社してみないとわからないことは多いので、あまり深く考えず、自分が「こうしたい」と思ったことをやればいいと思います。
古谷さん:それはきっとどの会社でも同じですね。自分が「何をやらされるか」と考えて選ぶよりも、「これをやりたい」と思える会社を選ぶほうが、その後の自分の納得感が何倍も高まります。
なので、就職活動のときに、それぞれの会社ごとに自分がやりたいことを考えてみてください。会社ごとにやりたいことが違ってもいいんです。「この会社だったら私がやりたいのはこれ」と決めてから入社すると、働いてるときの軸がぶれにくくなると思います。
- 今日は、とても勉強になりました。ありがとうございました。