岡山県倉敷市に本社を構える萩原工業株式会社は、トップシェアを誇るブルーシートをはじめ、数多くの製品を生み出しています。今回は、そんな萩原工業で働く社員の方々に、大学生のゆうかさんがじっくりと話を聞きました。
★森本哲史(もりもとさとし)さん
事業支援部門総務部総務・人事課人事チーム。製造から、営業、人事までを幅広く経験。入社一年目の若手社員に求めているものはやる気と積極性。
★鶴海翔大(つるみしょうた)さん
合成樹脂事業部門生活資材営業部業務課。幼い頃は生粋のサッカー少年で、大人になった今でも萩原工業のサッカーチームに所属してプレイを続けている。
★ゆうかさん
経営学部経営学科の2回生。自分の得意なことを就職先で活かしたいと考え、文系の業界を中心に企業研究を少しずつ始めている。
Index
あの製品もこの製品も、萩原工業から生まれている!?
あなたの足元にも萩原工業の製品が…?
- 萩原工業さんはどのような事業に取り組んでいるのでしょうか?
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森本

私たちがよく見るブルーシートは産業用にも使われている 事業内容としては大きく二つあります。
一つ目は、合成樹脂製品つまりプラスチック製品を扱う事業です。もう一つがエンジニアリング製品、簡単に言うと産業機械をつくる分野ですね。
- まず、プラスチック製品についてお聞きしたいです。主にどのような製品をつくっているのでしょうか?
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森本
プラスチックを加工して様々な製品を作ってます。フラットヤーンと呼ばれるプラスチックの糸を織ってブルーシートをつくったり、サッカーやラグビーで使われる人工芝をつくったりしていますよ。

プラスチックの糸
- メインの商品であるブルーシートは、例えばどんな方へ販売されていますか?
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森本
身近なところでは、ホームセンターで個人のお客様に販売しています。また、オンラインショップを通じて直接販売する場合もあります。企業のお客様向けには、一度の取り引きで大量のブルーシートを販売してます。
- どんな企業さんへブルーシートを販売しているのでしょうか?
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森本
卸売業者さんへ販売し、卸売業者さんを経由して製品を全国各地に届けます。土木・建築業の方や農業資材を販売する方など、個人のお客様だけでなく私たちの製品を必要としてくれる方に商品が届けられていきます。
また、加工業者さんにも販売しています。主に、切り分ける前のロール状のブルーシートを溶着(熱で溶かしてくっつける)してつないだり、金具を取り付けたりすることで、テントや横断幕などに加工されています。
- なるほど!人工芝はどうやってつくるのでしょうか?
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森本
人工芝も、当社だけですべてをつくることはできません。人工芝の芝部分を形成する「糸」と、その糸を植え付けるための「基布(きふ)」という二つの部品をつくり、それを加工業者さんへ販売しています。
- その他に、身近な場所で活用されている例はありますか?
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森本
一番分かりやすい例では、お花見やピクニックで使うレジャーシートがイメージしやすいと思いますね。また、家やマンションを建てる際の防塵・防火対策として使われる、建築物を覆うメッシュシートもつくっています。
さらに身近な例で言うと、ホコリを取るためのモップや養生テープも当社のプラスチックの糸からつくられているんですよ。
- 本当にたくさんの製品があるんですね!驚きました!
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森本
産業機械をつくる事業もあります。例えば、「スリッター」と呼ばれる、薄い紙やフィルムを細く切るための機械をつくっています。プラスチックのフィルムを細くカットして、ペットボトルのラベルをつくったりできます。
あとは、コンクリートの強度を上げるために混ぜ込む繊維も、当社の機械で製造しています。細かくカットしたプラスチックの繊維とコンクリートを混ぜてから固めることで、ひび割れ防止になります。
通常のコンクリートとは異なり、鉄筋を組む必要が無くなるので、工期が短縮できたりと、さまざまなメリットが生まれます。ちなみに、大阪・関西万博のパビリオンでも、このプラスチックの繊維が使用されました。

きめ細かなこだわりが高品質な製品をつくる鍵になる
- 萩原工業さんは国産ブルーシートの最大手で、シェアは90%以上と聞きました。そんな萩原工業さんの強みって何でしょうか?
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森本
まず、原料調達からシートの最終加工までを一貫して国内生産できる点が強みです。原料の配合にこだわり、劣化の原因となる紫外線に強く、長持ちする品質になっています。また、どの工程でも品質をチェックして不良品を確実にはじくことで、品質の高いシートをお届けしています。
お客様のニーズに合ったシートをオーダーメイドで仕上げることも可能ですので、製品そのものの使い勝手の良さや、使用中の安全面には絶対的な自信がありますね。
- 作業工程にも萩原工業さんならではの特徴があるのでしょうか?
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森本
大きなシートをつくることができる点が、他社さんとの大きな違いです。
シートには、糸をつくる工程、糸を織る工程、それをラミネート、つまりコーティングする工程と、複数の工程があります。幅4メートルのシートをラミネートできる機械を所有しているのは、国内では当社だけです。

幅4メートルのシートをラミネートできる機械
- 大きなシートをつくることができると、どんなメリットがあるのでしょう?
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森本
例えば、複数の小さなシートを繋いで大きなシートをつくろうとすれば、繋いだ部分は強度が低くなってしまうので、破れやすいシートになってしまいます。繋ぎ目の無い大きな一枚のシートは、弱点の無いシートなんです。
- なるほど。様々な要素で高品質な製品ができているんですね!
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森本
当社製品の「安心感」は絶大です。例えば、多くの自治体(都道府県や市区町村などの地方公共団体)が備蓄する防災用シートは、長持ちしないと意味がありません。災害対応で使用した1ヶ月後にシートが破れて、また購入するとなると、お金や手間がかかるだけでなく、撤去や再設置の際の作業中の危険も大きくなります。
何か不具合があった時には原因分析やその改善を行っているため、品質の良いものを長く使いたい自治体や民間企業から選ばれ続けています。
一度使ったブルーシートをもう一度新しく作り変える
- 今後、萩原工業さんが力を入れたい取組を教えてください。
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森本

回収されたブルーシートは、この後原料に戻る。 「水平リサイクル」に注力していきたいですね。
水平リサイクルとは、リサイクル手法のひとつです。例えば、ペットボトルを回収し、洗浄・粉砕して、もう一度プラスチックの状態に戻し、再びペットボトルとして使う。このような流れのリサイクルが「水平リサイクル」です。
家を建てる際に使用したブルーシートをすべて回収して原料に戻し、再度ブルーシートに加工したうえで、また使ってもらう「Re VALUE+」という取り組みを行っています。

Re VALUE+シート これからは、水平リサイクルから生まれた製品の認知拡大に注力していきたいです。
例えばですが、スーパーなどの前にブルーシート回収ボックスが設置され、全国の使用済みブルーシートが岡山県でリサイクルされ、萩原工業のブルーシートとして再び全国へ届けられる。そんな取り組みができれば理想的ですね。
- すごいです!ちなみに、海外でも萩原工業さんの技術が活きているんですか?
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森本
はい。プラスチックの糸を活かしてアメリカでは店舗で販売している野菜を入れる袋、インドネシアでは穀物や樹脂などをいれる大型の輸送袋を現地工場で製造しています。
また、パラグアイなどの南米では、現地のニーズに合わせたコンクリートの補強繊維が普及しています。道路が舗装されていない場所が多いため、工期を短縮でき、なおかつコンクリートが長持ちする当社の技術が高く評価されています。
- 国内外で技術が大活躍しているんですね!
目標に向けてコツコツ準備している鶴海さん
サッカーに関わる仕事が出発点で萩原工業にたどり着いた
- 鶴海さんにお話をうかがいます。現在担当しているお仕事について教えてください。
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鶴海

営業部で営業事務をしています。主な業務内容としては、受発注(お客さんから注文を受ける「受注」と、仕入れ先などへ商品や資材を頼む「発注」)をパソコン上で処理したり、運送・出荷・納入のスケジュール調整をしてトラックの手配をしたりと、多岐にわたります。私が働く里庄工場には総務がないので、お弁当や備品関係の発注も行っていますよ。
- どんな製品の受発注をするのでしょう?
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鶴海
合成樹脂事業部門のなかの、生活資材に関する受発注を行っています。生活資材とは、先ほど話題に出た人工芝や粘着テープ、野菜袋の素材などが主な製品ですね。

粘着テープや野菜袋
- 萩原工業さんへ入社しようと思ったきっかけは何でしょう?
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鶴海
小さい頃からサッカーをしていて、就活の軸は「サッカーに関わる仕事」でした。萩原工業が人工芝をつくっていることを知り、興味を持ちました。
当社がサッカーチームを持っている点にも魅力を感じ、入社を決めました。また、地元で働きたいという思いもあったので、萩原工業を選びましたね。
- 社会人になってからもサッカーを続けたかったんですね!
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鶴海
人工芝を扱っている会社にいれば、サッカーをきっかけに、お客様とより良い関係性を築けるのではないかと考えたんです。
例えば、相手チームのコーチから「グラウンドに人工芝を敷きたいと考えている」という話をうかがうこともあります。健康のためにもなりますし、公私ともにサッカーを続けるメリットは大きいと思っています。
- 働く際のモチベーションや原動力は何でしょうか?
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鶴海
現在は営業事務をしていますが、将来は営業をしたいという目標があります。その目標を目指すなかで現在の業務は下準備になると考えています。
受注・発注やスケジュール管理だけでなく、見積書や請求書を扱ったり、物流業や製造の方々とも関わったりと、業務の幅が広い点が営業事務の良さです。ひとつひとつ真面目に取り組み、営業になった際にも活かせる知識を培うことがモチベーションになってます。

萩原工業のサッカーチーム
相手の立場になって発言できれば、解決策が生まれる。
- 今までの業務で深まった専門性って何かありますか?
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鶴海
相手の立場になって考える力が身につきました。2年目に里庄工場へ異動し、営業事務を担当した際には、お客様から直接「納期をもっと早めてほしい」と強い口調で言われたことがあります。製造の方々に納期短縮をお願いしても、当然「生産の都合があるので厳しい」と言われます。
お互いに意見があるなかで、その中間に立つのが自分の仕事です。その際には、何回かに分けて少しずつ納品する「分納(ぶんのう)」という方法を取りました。相手の気持ちを汲み取りながら解決策を考える力が身についたと感じています。
- なるほど。
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鶴海
あとは、人柄で選ばれる営業になりたいですね。お客様からだけでなく、「鶴海が取ってきた注文だから何とかしてやろう」と製造の方々からも協力してもらいながら活躍できる営業マンが理想です。
当社で活躍している先輩は、話しかけやすい雰囲気を持っていて、周囲から頼られているように感じます。
- 話しかけやすい人って、具体的にどんな人だと思いますか?
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鶴海
うーん、きちんと人の話を聞いてくれる人ですね。先輩たちは仕事中でも手を止めてしっかり話を聞いてくださるので、それをとても嬉しく感じます。「この人を頼りたい」とも思いました。私自身も手を止めて、相手の話を聞くことを心がけています。
熱量を持って取り組みたいものを1つ決めてみる
- 最後に、高校生もしくは大学生のメッセージがあれば教えてください。
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森本・鶴海

森本さん:まずは、学生生活を全力でやり切ってほしいと思います。その達成感を得て、しっかりリフレッシュしたうえで気持ちを切り替え、社会人としてのスイッチを入れ直せば、また頑張る気力が湧いてくるはずです。今、大きな熱量をもって過ごしていれば、就職後も同じ熱量を持ち続けることができると思います。特に、入社1年目の若手社員に持っていてほしいのは「積極性」と「活力」です。学生生活そのものにしっかり熱量を注ぎ、今しかできないことをやり遂げてください。
鶴海さん:就活生に向けてメッセージを送るなら、「1つでいいので、就活の軸を持ってほしい」と伝えたいですね。就活中や入社後に、周囲の近況を聞いて焦ったり、友人が入社した企業を羨ましく思ったりすることもあると思います。そんな時に、自分なりの就活の軸が一つでもあれば、他人と比較せず、目の前のことに集中できます。
学部や学科にとらわれず、まずは自分の軸を決めて、そこから派生した仕事に的を絞って就活に臨んでほしいですね。
- お二人とも、本日はありがとうございました!
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